イノベーション・オブ・ライフ~最高の人生を生き抜くために~第二回

今回は前回に引き続き、ハーバード・ビジネス・スクールのクレイトン・クリステンセン教授の書いたイノベーション・オブ・ライフ~最高の人生を生き抜くために~の要約です。

 

前回の記事はこちら

 

本書は3つの質問について回答していく形式で、1つ目の質問については前回の記事を参照ください。

 

どうすれば伴侶や家族、親族、親しい友人たちとの関係を、揺るぎない幸せのよりどころにできるだろう?

について記載していきます。

 

キャリアでの優先事項、つまりあなたを仕事で幸せにする動機づけ要因は、家族、友人、信仰、健康といった人生の幅広い優先事項の一つでしかない。

あなたは自分の人生の優先事項に沿った方法で、資源を配分することに心を砕かなくてはならない。

自分の成功を評価するものさしを、自分にとって最も重要な問題に合わせる必要がある。そしてそのすべてを、適切な時間枠で考えなくてはならない。つまり、長期をおろそかにして短期に集中しがちな、自然な傾向を覆すということ。

また人生のなかの家族という領域に資源を投資したほうが、長い目でみれば遥かに大きな見返りが得られることを、いつも肝に銘じなくてはならない。

 

ほとんどの人は、家族や友人たちと深い愛情に満ちた関係を築くという、意図的戦略をもちながら、実際には望みもしない人生の戦略に投資している。

過ぎ去った時間を取り戻すことはできない。

晩年になってから、かつてあれほど大切に思っていた友人や親戚と、なぜもっと連絡を取り合わなかったのだろうと嘆く人が多い。

時間と労力の投資を、必要性に気づくまで後回しにしていたら、おそらくもう手遅れだろう。大切な人との関係に実りをもたらすには、それが必要になるずっと前から投資するしか方法はないのだ。

 

片付ける用事理論

製品・サービスを購入する直接の動機となるのは、実は自分の用事を片付けるために、その製品・サービスを雇いたいという思いということ。

例:ミルクシェイクチェーン

ミルクシェイクをどう改良したら、売上が伸びるだろう?ではなく。

ミルクシェイクが雇われる用事は2つあった。

朝の用事は、通勤を楽しめるものにするために雇われていた。

午後の用事は、「自分を良い親だと思いたい」と思うために雇われていた。

用事を片付けることが購入を促す因果的作用。

この理論を例えばパートナーに適用すると、妻が片付けようしている用事は、彼女が片付けたがっているとあなたが考える用事とは、かけ離れていることが多い。

妻のためを思ってどんなに尽くしても、妻が片付けようよしている用事に目を向けない限り、それは無駄な努力の可能性が高い。

ただし伴侶があなたに片付けてほしいと思っている用事を理解するだけではだめだ。

その用事を実際に片付ける必要がある。時間と労力と費やし、自分の優先事項や望みを喜んで我慢し、相手を幸せにするために必要なことに集中するのだ。

犠牲が献身を深めるという原則もある。

ただ犠牲を捧げる対象は、献身を深めるに値するものでなくてはならない。つまり、幸せを求めることは、幸せにしてあげたいと思える人、自分を犠牲にしてでも幸せにしてあげる価値があると思える人を探すことでもある。

もちろん自分を幸せにしてくれそうな人を探すことでもる。

相手のために価値あるものを犠牲にすることでこそ、相手への献身が一層深まるのだ。

 

能力モデル

企業ができること、つまり能力は、「資源」「プロセス」「優先事項」の3つの分類のいずれかにあてはまる。

組織が価値を生み出すのは、資源を使って、さらに価値を高い製品・サービスにつくりかえるときだ。この生み出す一連の流れをプロセスと呼ぶ。

優先事項は、文字通り組織の優先事項だ。企業の意思決定方法を決め、企業が何に投資すべきかすべきでないかについて、明確な指針を与える。

この能力モデルを人間にも適用することで、自分や家族が人生で成し遂げられること、手の届かないことを知ることができる。

人間に適用した場合、資源は何かを行う手段、プロセスは方法、優先事項は動機にあたる。

以上が、2つ目の質問に対する回答の要約となります。

字数の都合上、省いた部分も多々ありますので、気になった方はぜひお手にとってみることをおすすめします。