書評:20歳の自分に受けさせたい文章講義
ライターの古賀史健さんが書かれた「20歳の自分に受けさせたい文章講義」の要約となります。
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書くことは、考えること
書く技術を身につけることは、そのまま考える技術を身につけることにつながるからである
書こうとするな、翻訳せよ
文章とは、頭の中の「ぐるぐる」を、伝わる言葉に翻訳したもの
文体とはリズムである
文章のリズムは、「論理展開」で決まる
接続詞を意識するだけで、論理破綻しにくくなる。
視覚的リズム
①句読点の打ち方
②改行のタイミング
③漢字とひらがなのバランス
まずは書いてみて、書き終えたあとに音読をする
論理展開とは、文章の構成のこと
文章の面白さは、構成から生まれる
序論:(客観)客観的な状況説明
本論:(主観)それに対する自分の意見・主張
結論:(客観)再び客観的な視点に立って、論をまとめていく
導入は「映画の予告編」のつもりで
①インパクト優先型
②寸止め型
③Q&A型
自らの主張がたしかな理由によって裏打ちされたとき、その文章は「論理的」といえるのだ
文章は伝えるために書く
なぜ伝えるのか?→読者を動かすため
自分の文章のなかに、主張・理由・事実の3つがあるか、その3つはしっかり連動しているかを常に意識しよう
文章は面倒くさい細部を描いてこそ、リアリティを獲得する
→読者の理解を促し、説得力を強化する
文章の構成を考えるとき、ただ頭のなかで素材をこねくりまわしても絶対にうまくまとまらない
なぜなら、構成とは"眼”で考えるものだから
→図解せよ
図解するメリットは、「流れ」と「つながり」が明確になること
読者の椅子に座っているか
われわれが本当の意味でその「椅子」に座れる読者は、世の中に二人しかいない
①「あのとき」の自分
②特定の"あの人”
この文章でおかんは理解してくれるかなという第三者を考える
本を読むとき、好き嫌いをはっきりさせることで、書き手としてどうありたいかが明確になってくる
文章は読者を説得させるために書く
だが、必ず反発される。
だから読者を説得させるのではなく、納得させる。
→人は「他人事」では動かない。
当事者意識を芽生えさせ、他人事を自分事に変換してくれる、何らかの仕組みが必要
→文中の早い段階で、独自の仮説を提示する。
そして読者に「あなたはこの仮説をどう思うか?」と問いかけ、読者と一緒になって、その仮説が正しいかどうか
起転承結
冒頭に「自らの主張と真逆の一般論」を持ってくる必要がある
読者は常に素人であるので、読者と一緒に回り道すること
→文中にツッコミを入れ、それに答えていく
主張→理由→反論→再反論→事実→結論
大きなウソは許されるが、小さなウソは許されない
細部をどれだけ大事にできるかは、文章を書く上で最重要ポイントとなる
なぜ小さなウソをついてしまう?
→理解が足りないから。
→自分の頭で分かったこと以外書いてはいけない
読者が求めている体験要素
①目からうろこ
②背中を後押し
③情報収集
これら全て一本のブログに求めている
推敲=編集
書き始める前の編集と書き終えた後の編集
何を書くかではなく、何を書かないか
何を書かないかという引き算の発想で、自分にとって大切なものは何かが見えてくる
書かないものの見極め方
→可視化。頭の中を可視化するには紙に書くのが一番
書きたいことについて「思いついたこと」を書き出していく
書き出したキーワードには「傾向」がある
「その傾向」以外のことに限定して、また書き出す
ある傾向を持つキーワードとそれ以外のキーワードの両方を出し尽くしたとき、ようやく元ネタが揃ったことになる
書き終えた後の編集。
削ると同時に「切る」ことを考える
少しでも長い文章を見つけたら、さっさとハサミを入れて短い文章に切り分ける
理由①冗長さを避けてリズムをよくする
②意味を通りやすくする
③読者の不安をやわらげる
どれだけ論理的か→図に書き起こすことはできるか?
どれだけ細部を描写できているか→映像が思い浮かぶか?
2回は読み返しが必要
「いい文章」とは、「読者の心を動かし、その行動までも動かすような文章」のこと